Concept

強く撚りをかけた糸で織られた極上の生地、
上着に入った南京玉縁、揉玉、松葉閂のディテール、
そこには手仕事でしか表現できない職人技が香ります。

日本の機屋で糸から織り上げたセルヴィッチデニムや
ジーンズに付いた古いタロンのジッパーに
つくり手の熱い気持ちが込められています。

昔ながらの上等な生地を探し出し、
職人的な技、古い機械で仕立てるのは
cantateにとっては、それが必然だから。

cantate──目指すのは「ハレとケのワードローブ」。
日常と非日常、2つの顔を行き来できる服を
思い描いています。

昔、古着屋で見つけたサヴィルロウで注文された上着。
仕立屋の名前は内ポケットの裏側のひっそりと
縫い付けられていました。
それは着ている服がどこ製のものであるか
見抜かれないように。
英国紳士にとって、ブランドをひけらかすことは
エチケットにも、紳士道にも反することだからです。

cantateのネームも、
しつけ糸を仮止めするように付けられています。
ネームはできれば外してから着ていただきたい。
服よりも、それを着る人が一番に輝いて欲しいと
思うからです。

cantateとは、クラシック音楽の一種、
オーケストの伴奏が付いた声楽曲を意味します。
cantateを耳にすれば、
どこにいても非日常を感じ、
その音色が心を落ち着かせてくれます。

cantate同様に、
非日常を堪能できる、美意識を持った服づくり。
そして日常を意識した、
一生手放せないような普遍的な服。

そんな服をcantateはつくり続けていきます。