Wool Fleece Blouson

 誰もチャレンジしないのでは・・・おそらく世界初となるウールボアを作りました。
 シール莫大小という日本では主に和歌山の高野口にある特殊な古い編み機で編まれているのですが、編機が一回転する際に通常の高速機であれば、最大36目(編み目が36個分)で生産可能であるのに対して、この編み機では一回転で2目と通常の1/18の生産性しかなく、非常にゆっくりとしか編み上げることができません。しかし、このゆっくりとしたスピードが故に、高速機で編まれる生地よりも長いパイルが表現できるのです。
 さらに、通常パイルを抑えるベースを編む糸はポリエステルなど、熱処理してパイル地の安定性を高める素材を利用するのですが、カンタータのウールボアは、その編み機を使用した上で、すべての糸をウールにしています。その不安定な編み組織で編み上がった生地を起毛して縮絨工程を通すことは非常に挑戦的ではありましたが、まさに日本の技術の結晶。足掛け3年かけてなんとか形にすることができました。
 そんなウールボアを使ってまず作ったのは、V開きのフロントジップタイプブルゾン。切り替え部分には、MA-1で使用した、耐熱性・機械的強度に優れた「66ナイロン」を100%使い、経緯ともに限界まで高密度に打ち込むことで重厚な風合いを持たせ、仕上げでたっぷり熱を加えて、さらに密度を込めたナイロンを使っています。袖の肘当ては、外側でなく、収縮活動が多くて負荷がかかりやすく、シワになりやすい内側に付けているのですが、他では見かけないでザインアクセントになっていると思います。

Item:
Wool Fleece Blouson
Number:
20AWCA0225
Price:
85,000
Size:
44,46,48
Material:
Wool100%
ATTACHED PARTS/Nylon100%
TAPE/Polyester80% Polyurethane20%
Color:
OFF WHITE×NAVY, OFF WHITE×KAHKI