昨年、某テレビ局からの依頼で、昭和初期を舞台にしたドラマの衣装を手掛ける機会がありました。このコートはそのときデザインしたものにヒントを得て、今シーズンのコレクション向けに新たにデザインしたものです。

　このコートを私は勝手に「ハイカラーコート」と名付けていますが、ボタンを付けて立ち気味になった大きな衿に特徴があります。首元までボタンを締めると、衿の特徴がさらに増して見えます。背中の腰にはベルトが付いていますが、タックの縦のラインがバックベルトに入っていくようにして、エレガントさが出るようにとドレープを入れています。ベントは深め、途中にボタンを付け、ベントが開かないようにしてあります。背中からもこのコートのドレッシーな佇まいが香ってくるはずです。

　肩のつくりは動きやすいラグランスリーブを採用しました。脇ポケットは、パッチ＆フラップのタイプ。袖口を折り返しがある「ターンナップカフス」にし、クラシックな雰囲気を出しました。もともとのコートは昭和の時代背景を考えてデザインしたものですが、アレンジした結果、どこにもなく、しかも品のあるコートになったのではないかと思っています。

　生地はピーコートでも使われているタスマニアポロワースの上質な梳毛ウールに「ロイヤルフランネル」を施したものが使われています。デザインも素材も、とても着映えするコートが出来上がりました。

Item:

R.F. High Collar Coat

Number:

18AWCA0126

Price:

178,000

Size:

44,46,48

Material:

Wool100％ LINER/Cupro50% Cotton50%, Cupro88% Wool12%, Silk62% Linen38%

Color:

NAVY , BROWN